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70's/80's Monochrome Age and Years of Ektachrome film

宇田郷 (山陰本線) 1974

utago_01-Edit.jpg

惣郷川橋梁(191M)は、山陰本線西部区間のハイライトに違いなく、北浦海岸での鉄道撮影の古からの核心でもある。(だから、そう以前からのことでは無い)
その現在の山陰本線を形成する最後の開通区間に位置する歴史的意義や、土木技術遺産としての価値などは、既に多くの専門家による論説があり、ここには繰返さない。
けれど、1000メートルを越える隧道の建設に工期や技術的な困難の無くなったこの時代に、事実山塊が海に迫るこの区間でも大仮峠は2215メートルの隧道で越えているにもかかわらず、敢えて海岸線にこれだけの橋梁を出現させた線路選定は興味深い。当初計画の隧道を伴う100メートルの鋼橋での内陸迂回を覆したのは合理的選定と云うより、塩害に対するコンクリート橋建設技術確認のモデルを要した結果ではなかろうか。

益田からの気動車で降り立った宇田郷の駅周辺には、見事に何も無いのが印象に残る。駅員に聞けば、周囲に散在する集落からの利用に利便のある位置、との話ではあったが、ならばより上り方に選定すべきで、こちらは宇田浦集落背後位置では宇田川の橋梁を含んで、その想定最大流量時の桁下確保に要する構内嵩上げを回避したのが正解であろう。

ここには、この当時ダイヤで太陽が海側に傾く16時から17時の間に3本の蒸機列車の運転があり、初めての山陰線撮影にそれを組み込んでいた。先輩諸氏による作品でおよその見当はついていたのだけれど、ロケーションで見てみれば海浜際をコンクリートラーメン橋が通過しているに過ぎず、期待していた北側の切取り法面上部も樹木に隠されて登れそうになく落胆した覚えがある。
それでも、惣郷集落から川沿いに橋梁を見遣れば風情の松林の向こうに漁師小屋が点在して、その傍らで列車を待ったのだった。

優等列車もなく、単行から2両連結程度の気動車列車の走るばかりとなったここに、再び立つことは無いだろう。
列車は828列車、米子行き。終着は深夜に及んで、ここはその行程半ばにも至らない。

[Data] NikonF2A+AutoNikkor50mm/F2 1/250sec@f8 Y52filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR4 on Mac.

Website "カメラ 万年筆" Updateのお知らせ (2013-07-13)

Chronicle に、記事 "歩く鉄道屋" を追加しました。
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コメント

Re: 惣郷川橋梁

こんばんは。
みんなみんな、そう思っていたのですねえ。
40年経って安心したって、感じです。
この頃、まだまだ初心者でした。
北側の法面、この翌年だったら絶対無理矢理でも登ってた、と思います。

  • 2013/07/23(火) 00:53:05 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
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惣郷川橋梁

こんばんは。
あまり山陰で撮っていない私も懐かしい橋梁です。
でも広角の夕焼け狙い位しかアングルは思いつかなかったような。
シルエットにしても橋脚の「並び」があまりきれいに揃わず、
七転八倒したのも思い出です。難しい被写体でした。同感です。

  • 2013/07/22(月) 21:49:46 |
  • URL |
  • 風太郎 #ORZvdv76
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Re: 難しい橋梁でした

こんばんは。
最近のこと。
コンクリートの経年劣化への補修でエポキシ系樹脂の吹き付けが行われ、
順光下ですと、青く輝いているらしいです。
「色気」付いちゃったってところでしょうか。

  • 2013/07/22(月) 03:18:04 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

難しい橋梁でした

仰る通り、橋梁自体は色気のない
コンクリートラーメン橋。
海に面していることの表現と、夕方の光線を
どう使うかに悩まされました。
広角レンズがあれば、と強く思ったことを
覚えています。

  • 2013/07/20(土) 13:54:09 |
  • URL |
  • マイオ #pcU4xDNY
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