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70's/80's Monochrome Age and Years of Ektachrome film

長町機関区 (東北本線) 1972

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東北線の電化が盛岡に達して常磐線の平以北が非電化当時の長町機関区なら、電機と蒸機が同居していて不思議はない。けれど、これは1972年。機関車は有火のC58 328である。

小牛田機関区にC58が健在であった頃、仙台鉄道管理局はそれに仙台発着の団体臨時列車を牽かせたことが幾度がある。勿論、当時の「SLブーム」に便乗した集客手段であった。
早朝に小牛田を出区して単機回送にて仙台運転所に向かい、ここから仙台構内まで客車を回送。機関車は再び単機にて長町機関区に入って転向の後に仙台へ戻り、団臨を牽いて鳴子なり中山平を目指すのである。帰路は、この逆路を辿って長町機関区には二度出入りすることになっていた。
仙台に波動用12系の配備の無いことから、編成は普通列車用旧型客車の予備車が使われ、それでも近代化工事施工のオハ35や46を優先して組成していた。

5月28日のこの日に運転されたのは募集団臨ではなく、在仙のテレビ/ラジオ放送局、東北放送(TBC)が開局20周年の記念行事として視聴者を抽選により招待したもので、車内からの特番中継放送などもあったようだ。機関車には「SL TBC 20号」のヘッドマークが掲げられていた。
定期列車としては無くなっていた陸羽東線内での客車牽引も魅力ではあったが、それは仙台付近で迎えることにして長町機関区の転車台に載る姿を撮るべく、事前に仙台局の広報課を通じて見学許可を申請していたのである。
余談めくが、この時代に公式ルートで許可を請えば、希望日時の変更を求められることのあるにせよ、個人の資格であれ大抵の場合には認められた。指定日時に事務室を訪ね所定の手続きを済ませれば、黄色いヘルメットなり腕章を貸与され、案内人(構内掛りのことが多かったが助役自らの区所も在った)とともに構内を歩くのである。

この日もヘルメットを被り転車台へと案内されると、まもなくにC58 328が到着して構内手による転向作業がはじまる。すると、その汽笛に近所の住人や通行人が続々と構内踏切を渡って集まってくるのだった。孫を抱いたお年寄りに買物カゴの主婦に、犬を連れた散歩人までいる。構内手と挨拶を交わす人もあるから顔見知りなのだろう。
転向を終えて出区線に移動すれば、皆ぞろぞろと付いて往く。
後に思えば、この機関区周辺の住宅は鉄道官舎で住民は職員家族であったのかも知れない。東北線上の大機関区と云えども代々の自分達の機関区意識であろうか。いずれにせよ国鉄の鷹揚な時代である。付記すれば、この集団に同業の写真屋と思しきはひとりも居なかった。

写真は出入区線で本線転線に待機するC58 328を隣線で入区待ちのED75 86のキャブから見ている。
ヘルメット姿の見学者に、構内機関手が乗せてくれたものである。そして、このまま庫内線まで送って貰った。

[Data] NikonF+P-AutoNikkor50mm/F2  1/250sec@f5.6 Y48filter  NeopanSSS  Edit by PhotoshopLR3 on Mac.
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コメント

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  • 2013/11/04(月) 10:53:44 |
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Re: 鷹揚な時代

こんばんは。

そうですね。鉄道は労働集約型産業の代表でしたから、現場に人はたくさん居ました。
昨今のように一人何役の時代ではありません。確かにゆとりは在ったでしょう。
けれど、仰せの通り日本の輸送を担っていると云う誇りと気概があったように思います。
何より、それが「国民の足-国鉄」でありました。(第二代総裁加賀山之雄の就任時の発言)
民営となって25年余り、今やどの民間会社よりも
その従業員は「サラリーマン」化しているかも知れません。

  • 2013/06/07(金) 20:37:29 |
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  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

鷹揚な時代

こんばんは。

一個人の見学申し出に許可を出す「公式ルート」もさることながら、
現場の鷹揚な対応の逸話は、聞けば聞くほど異次元の世界のようですね。
現場にゆとりがあって、職員も自分の仕事を見せる誇りがあったのでしょうか。
そう遠い訳では無いこの時代、そして昨今のお寒い時代があって、次はどんな時代が来るのでしょうか。

取り留めのない話ですいません。

  • 2013/06/06(木) 21:56:38 |
  • URL |
  • 風太郎 #ORZvdv76
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