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70's/80's Monochrome Age and Years of Ektachrome film

常陸岡田 (日立電鉄・日立電鉄線) 1975

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札幌から両親の故郷である水戸まで帰省旅行をしていた頃、青森からの夜行急行が大甕を日立電鉄の電車を横目に通過すると、海側車窓に太平洋が広がり、久慈浜の街中に緩い曲線を描くその線路を見下ろせた。朝日の逆光の中に見たその光景が印象に残って、後にそこを撮りに往くのだけれど、既に住宅の建て込んで常磐線の盛土に立っても記憶に在る光景には出会えないのだった。
この久慈浜以北の海線区間はロケハンを繰返しても程よい画角は見つからず、日立電鉄での撮影は以西の里線区間に向かうことになった。帝都高速度交通営団からの譲受車の入る前までに限られるものの、ここへは忘れた頃に足を運んでいた。

この常北地域と呼ばれる一帯は、八溝山地の南に尽きて、そこからの里川や源氏川、山田川などの水流が久慈川へと注ぐ農村地帯である。そしてそれらの谷には酒造場が散在している。
酒呑みでなければ意外かも知れないが、茨城県は酒造県なのである。この久慈川・那珂川流域と石岡地区に水戸線沿線筑波山水系を中心に、2012年現在でも49の酒造免許場が数えられる。(但し、全てが稼働場とは限らない)
里川流域の常北地域には5場が在って、この常陸岡田と隣駅小沢の程近くにも酒銘「松盛(まつざかり)」の蔵元、岡部合名会社が田圃に囲まれていた。
この蔵には当たり前に美味い兵庫産の山田錦による大吟醸もあるけれど、やはり周辺にて収穫の日本晴に美山錦が使われる純米酒や純米吟醸が面白く、特に精米歩合を敢えて70%に抑えたと思える純米酒は、まったりとした中にも滑らかさが感じられ田園地帯の酒らしい。

勿論これは後年の話で、この頃には田圃の中に高い煙突を見て酒蔵の存在を意識していただけではある。当時に遠目にも目立つそれを持っていたのは酒屋ぐらいであった。
写真は、常北太田へ向かう夕方の通勤列車。後追いである。
手前方は元を辿れば小田急のデハ1100型のモハ1000型1001と見える。

[Data] NikonF2A+AiNikkor105mm/F1.8S 1/125sec.@f4 Y48 filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR3 on Mac.
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コメント

Re: 日立電鉄の記憶

こんばんは。ご訪問ありがとう御座います。

記事にも書きましたが、帰省先の水戸の近郊でしたので、その際に何度か撮っていたものです。
この70年代には、大甕から鮎川の海線に限れば随分と乗客も多かったと記憶します。
この里線でも、朝夕となれば写真のような編成列車が運転されていました。
ワンマン運転の導入も早く、経営改善に努力した私鉄線でしたのに、廃線は避けれませんでしたね。
風旅記さんのブログにありました営団銀座線からの譲受車が入線してからは訪れていません。
どうにも、その塗色が気に入らなかったものですから。すみません。
こちらこそ、宜しくお願い申し上げます。

  • 2013/11/15(金) 23:26:52 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

日立電鉄の記憶

こんにちは。
記事拝見しコメントを入れさせれ頂きました。
素敵なお写真ですね。時代の情感が伝わってきます。
か細い線路を走る、古びた小さな電車は、それでも廃止になる頃よりはたくさんの乗客を運んでいたのでしょうか。
私は一度だけこの路線を訪れましたが、お写真の30年後。お写真の場所を通ったときに、どのような景色が見えていたのか、自分で想像しています。
他の記事も拝見させて頂きます。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/

  • 2013/11/15(金) 15:48:51 |
  • URL |
  • 風旅記 #O7xVy9HA
  • [ 編集 ]

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