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70's/80's Monochrome Age and Years of Ektachrome film

徳沢 (磐越西線) 1977

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磐越西線は、郡山から新津まで175.6キロの長い線区であり、山線の中山峠や更科に立ち寄るでも無い限り道内行きの途上に組み込むより、会津/只見線とともに数日を充てることが多かった。
福島・会津磐梯のミニ周遊券は、喜多方までしか自由周遊区間に含まれず、そこへの乗車船経路も新津経由は認められていなかったから、これを使うのはもっぱら郡山へ「駅ネ」に通うためであり、磐越西線川線の核心区間へ向かうなら都区内発着で郡山/新津を回る連続乗車券に掛け捨ての周遊指定地接続線を加えた一般周遊券を組んでいた。
出発は、いつもの上野23時55分だった<ばんだい6号>で、会津若松から川線の始発に乗り継げば7時前に徳沢まで到達出来た。このほうが、上越線の夜行<佐渡>で新津を回るより早かったのである。

この当時の徳沢と豊実の県境を跨ぐ区間は、阿賀野川(福島県側では阿賀川)への徳石大橋が架橋されて、ようやく国道459号線が繋がったばかりだった。それまでは鉄道による以外には、阿賀野川の水面交通に頼る他に無く、幸いなことに1929年に竣工した豊実ダムにより水流は穏やかで、徳石大橋に近い位置に「渡し」が設けられていた。古くからの奥川橋を渡り元島集落から険しい山道で楢木峠を越える陸路も存在したけれど、人的交流や物資輸送に磐越西線は、ここでの生命線と云って過言でなかったのである。いまでこそ、ここに県境が走るが、新潟側の東蒲原郡域は近世以来の会津藩領であり、幕藩体制の崩壊以降も1886年までは福島県に属して耶麻郡側との交流は深かったものと思われる。

けれど、駅の在る徳沢集落から対岸へ指呼の間である新渡集落へはこの当時も架橋が無く、徳根集落との間におそらくは新渡側で用意したであろう小舟の繋船されてはいたものの、徳沢への鉄道橋を集落の人々皆が徒歩で渡っていた。これには国鉄も黙認せざるを得なかったものだろう。
この日のここへの下車は、この1900年代初頭に架けられたピン結合によるアメリカンブリッジ製下路式曲弦プラットトラスの阿賀野川徳沢橋梁(194M)が目当てであったのだが、徳沢方では見上げる他にどうにも足場が取れずに、ここを渡って新渡集落へと向かった。
そこは緩やかな斜面一面に棚田が連なり、杉木立に10戸に満たない農家が肩寄せ合うように存在する山里で、山峡の阿賀野川の眺めは素晴らしく、鉄橋よりもそちらに眼を奪われたのだった。

写真は、低い雪崩覆を抜けて新渡沢橋梁へと差し掛かる226列車郡山行き。
斜面の下端に並ぶ稲架掛けの組み木が印象的であった。

実を云えば、これは写真技術習得の王道に従い『蒸気機関車』誌に在ったカットの「模倣」なのだが、それには蒸機の煙の不可欠であることをシャッタの瞬間に悟った。

[Data] NikonF2A+AiNikkor50mm/F1.8 1/125sec@f8 Non filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR3 on Mac.
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コメント

Re: 川辺の集落

こんばんは。

川沿いに点在する集落規模は小さいので、定期運行の営業「渡し」は交通路上のみで、
大抵はその集落の共有物としての非営業「渡し」の小舟だったようです。
この新渡にもそれは在ったのですが、目の前に鉄道の鉄橋があれば渡ってしまうのは止められませんね。
今は、かつての自家用渡しの位置に、この集落規模には過剰とも思える橋が架けられています。
この磐越西線川線の核心区間と云い、只見線の沿線と云い、よくもこんなところにと思える位置に
小さな集落がひっそりと在りました。
そんな集落の一軒に招かれて馳走になり、家宝と云う錆び付いて鞘から抜けなくなった刀を
見せてもらったことがあります。そこのご先祖は戦乱から抜け出した落人だったのですね。
おそらくは、そんなルーツを持つ人々がひっそりと暮らし続けていたのが山間の集落だったのでしょう。

  • 2013/03/16(土) 03:08:28 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

川辺の集落

こんばんは。

徳沢の対岸に集落があるのは何となく分かっていましたが、
鉄橋を渡って行ってみようとは思いませんでした。
静かな集落だったのでしょうね。今もあるのでしょうか。

阿賀野川の流域には、そんな川辺の集落を結ぶ渡し舟がたくさんあったようですね。
残念ながら私が見たのは豊実の駅前の渡船だけでしたが。

様々なニッポンの田舎の風景と出会えるのも鉄の楽しみのひとつでありました。

  • 2013/03/14(木) 23:26:00 |
  • URL |
  • 風太郎 #ORZvdv76
  • [ 編集 ]

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