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70's/80's Monochrome Age and Years of Ektachrome film

面白山信号場-山寺 (仙山線) 1977

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感光乳剤に用いられるハロゲン化銀は、本来に波長400nm以下の紫外線から500nmの青色光までにしか感光しない。これの感度域拡大の研究は19世紀後半のドイツにて進められ、1873年には乾板乳剤への有機染料色素の添加による緑・黄色光の増感性が発見され、これが1906年のピアシナール色素を用いたパンクロマチック乳剤の実現へと繋がるのである。
400nmから700nm付近までの可視光域全域に感度を広げ、人間の視感に程近い整色性を得たのは良いとしても、それの紫外線領域にも及ぶのはそのままに放っておかれた。フィルタでカットすれば済むゆえではあろうが、実はこれが厄介でもあった。
大気の澄んだ秋冬期と云えども、逆光側には短波長光の散乱によるヘイズを生ずる。写真は逆光で撮るものと心得ていた身は、これには難儀した。俯瞰での遠望など霞の彼方を覗き込むことになる。UVと呼ばれたフィルタでとても解消するでなく、富士フィルムの規格番号でSC37に始まるシャープカットフィルタを可視光域に入り込むSC42まで試しても効果は僅かで、コントラストフィルタのSC56あたりでも多少に改善される程度には、現像を硬調に持って往き、印画紙の選択などプリントで誤摩化すのが関の山だったからお手上げとも云えた。
紫外線域に感度を持つのはカラーリヴァーサルとて同様で、特に高彩度化の進んだ90年代のそれではシアンに転んで発色するには困りものであった。これにはPLフィルタとSCフィルタを重ね、ペラのCC1.25Rを持ち歩いて必要に応じカットしてホルダに追加するようなこともしていたけれど効果は限定的であった。
実は、この悩みもディジタルに持ち替えて嘘のように霧散した。絵柄さえあれば如何様にでも加工可能なそれではヘイズをクリアにするなどレタッチの初歩なのだった。

フィルム撮影の当時(今でも持ち歩くもう一台のカメラはフィルムカメラである)、避けれないものなら取り込んでしまうカットも試していた。ハイライトを飛ばさないギリギリまで絞りを開けてハイキートーンにまとめるのが定番だったのだが、それをスキャナでディジタル化すれば、紙焼きでは出せなかったトーンも実現する。
33パーミルを下るのは825列車、山形行き。橋梁は第二紅葉川である。

[Data] NikonF2A+AiNikkor105mm/F2.5S 1/500@f5.6 Y56 filter Tri-X(ISO320) Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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コメント

Re: 逆光

その昔、望遠の定番だった135mmの画角はどうにも中途半端に思えて、1973年から、このニコン独自の焦点距離を愛用しています。
その際に手に入れたのが、たまたま多層膜コーティングを施して再発売された製品でした。
逆光への適合はそれ以来でしょうか。
とにかく、カリカリと良く写るレンズでして、当時の「写真はドキュメンタリーだ!」的スローガンを多分に意識したものでしょうか。
本来のポートレイト目的には使い難かったはずです。
何より、当時に3万を切る実売価格のコストパフォーマンスは抜群でした。
このカットに使ったのは、この1977年に発売のAi方式対応タイプ。光学設計は不変です。

  • 2014/07/13(日) 14:10:45 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

逆光

ご苦労の大部分は理解できませんでしたが(^^;、逆光もまたモノクロ写真の華ですよね。
光る朝露も写っているのでしょうか。古い写真なのに臨場感溢れる一枚ですね。

ところで。AiNikkor105mm/F2.5S は気になっているレンズです。
解像力は定評があるようですが、こういった場面でも使えるとは、逆光耐性もいいのでしょうかね。

  • 2014/07/12(土) 23:33:00 |
  • URL |
  • 風太郎 #ORZvdv76
  • [ 編集 ]

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