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70's/80's Monochrome Age and Years of Ektachrome film

笹津 (高山本線) 2003

sasazu_01-Edit.jpg

高山本線の撮影に復帰した頃、高山-富山間の普通列車は猪谷を直通して相互に乗入れていた。とは云え、東海旅客鉄道のキハ58/28の2両組成運用は朝夕の1往復のみで、その他は全て西日本旅客鉄道のキハ120で運転されており、猪谷以南もまるで西日本会社管内に見えたものだった。
1980年代に国鉄線からの転換にて開業の相次いだ第三セクター鉄道が導入したレイルバスに端を発する、この手の小型気動車は、道内日高本線のキハ130も同様なのだが、例えばプレートガーダの橋梁に載ってもその桁に比してのアンバランスなど存在感が小型ゆえに薄く、どうにも好きにはなれずにいたのである。乗っても、鉄道会社の事情だけを優先した便所設備も無い安っぽい造りには、乗客を馬鹿にしているとしか思えない代物だった。
1999年の12月4日改正ダイヤからは相互乗り入れが取り止められ、猪谷までには美濃太田車両区のキハ48/40が復帰して、ようやくに溜飲を下げたくらいだったから、その閉じ込められた猪谷以北区間をわさわざ撮ろうと云う気にはならず、そこに足を踏み入れるのは東海会社区間をほぼ撮り終えた後のことである。

この上新川郡の旧大沢野町字寺家地内に所在する標高345メートルの猿倉山は、16世紀後半とされる築城時期や飛騨の武将塩屋秋貞と云われる築城主に確証の得られていないものの山城だったことが明らかとなっている。頂上に達してみると分かるが、古代の交通路である宮川改め神通川が富山平野へと流れ出る谷口で、それを一望とする位置は居城と云うより、その通行を監視する軍事拠点であったろう。
大沢野町は、1991年に以前から麓に所在したスキー場の上部を森林公園の一部として整備し、山頂へ風力発電の実証施設を設置した。発電した10kwの電力により自らをライトアップする仕組みだが、寧ろ観光要素の強く「風の城」と命名されたそれは展望台を兼ねていた。この発電設備は稼働から5年程で故障してしまい、以後修理されること無く現在に至っている。
けれど、町当局は飛騨方面からの南風の経路に当るここでの発電事業に本気であったらしく、それは2005年に合併した富山市に引き継がれ、年間の南風の出現率45パーセント、それの平均風速9.1メートルの調査結果から、2008年までに発電能力800kwの風車2基の設置が計画されていた。
ところが当初に見込んだ5億円の予算は、その後の経済情勢の変化や建築基準法改正による耐震設計の見直しを要して7億2800万円と試算され、加えて主流となった1000kw出力の大型風車建設には既存の道路の使用不能が明らかとなるに及んで計画は中止に追い込まれたのだった。もっとも、合併により事業を引き継いだ富山市には、それを推進する意思はさらさら無かったと云うのが真相だろう。

猿倉城址からは眼下に神通川第三ダムとその貯水湖を眺められる。件の展望台も含めて広い山頂なのだけれど、近年に架けられた国道の新笹津橋や他の障害物を排除して第二神通川橋梁と貯水湖を奇麗に抜ける位置は一箇所、しかも2メートル四方程のピンポイントにしか無かった。
列車は1040D<ひだ10号>。

[Data] NikonF5+AiAFNikkor ED180mm/F2.8D 1/500sec@f8  NONfilter Ektachrome Professional E100GX [ISO160/0.5EVpush] Edit by PhotoshopLR5 on Mac.

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コメント

Re: 猪谷以北

こんにちは、影鉄さん。

笹津までは飛騨山中と云う気がしております。
早朝だと順光側なのでシルエットには抜けませんので、また違った狙いになります。
コンテは持っているのですが、何より撮りたい列車が来ないのです。

  • 2014/07/13(日) 13:45:13 |
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  • Wonder+Graphics #-
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猪谷以北

こんばんは。
「飛騨」に拘りたいと猪谷以北は見送るつもりでおりましたが、気が変わりました。
(正確には県境を越えますので、猪谷も飛騨ではありませんが)
文字・言葉で説明いただくより1枚のカットのインパクト、脱帽です。
こちらは早朝よりも夕刻狙いでしょうか。

  • 2014/07/11(金) 21:11:07 |
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  • 影鉄 #-
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