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70's/80's Monochrome Age and Years of Ektachrome film

打保 (高山本線) 2003

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1980年代に、そのかつての亜幹線を思わせる鉄道景観に惹かれて度々撮っていた高山本線へは、暫しの間をおいて90年代半ばから再び訪れるようになった。今度は、半分諦めかけていたモノクロームフィルムに替えて、Ektachrome を手にしての旅である。
この時期には、キハ80系特急にキハ58/28の急行列車も失われて、東海旅客鉄道が発足後いち早く投入したキハ85系の天下となり、飛騨一ノ宮に上枝の油槽施設廃止に貨物列車の運転も無くなっていたけれど、そのロケーションはそれを補って余り在り、美濃太田以北の飛騨川(益田川)、宮川に導かれる区間のほぼ全線に通い、多くは高山北線と勝手に呼んでいた高山以北区間へ向かっていた。
横浜から<ムーンライトながら>で東海道本線を下り、高山駅前のホテルを常宿に線内で2・3日を暮らしてから最終日に富山に至り、<能登>で早朝の上野に帰着するのを定番の行路とし、これなら<能登>を高崎で捨てれば八高線を撮って夜には八王子に帰り着けもした。横浜市内から横浜市内行きの環状線一周の経路であるし、周遊乗車券制度の健在な頃なら、それに静岡から久能山下と下呂から合掌村のバス券を掛け捨てにした一般周遊券に組んで、遠距離逓減制の恩恵に加えての割引を得ていた。この地域に均一型周遊券の設定の無かったためでもある。
高山の常宿は勿論のこと、周遊券を依頼していた旅行エイジェントに高山市内飲食店や下車駅の駅前商店、撮影地点付近農家などあちらこちらに顔見知りの出来る程に通ったのだった。
2004年10月にここへ襲来した台風23号による被災にて中断し、線路の復旧とともに再開したものの、まもなくに2007年、2010年と相次いで頼みの足が定期運転から脱落するとアプローチが面倒になってしまった。朝の中央本線<あずさ>から安房トンネルを越える都市間バスでは高山が昼を過ぎてしまい効率が悪い上、帰路の名古屋経由の新幹線も経費が効率に寄与しないのである。
以来には、それこそ思い出したように出掛けるだけになってしまったが、手元には大量のカットが残された。

最も多く訪れたのは打保だろうか。毎月1度は降り立っていた年もあるくらいだから、ここの季節の遷移は全て記憶にある。
宮川村打保や塩屋、戸谷、中沢上、上桑野、下桑野と点在する集落の移り変わりも目にして来た。駅前に一件きりだった生鮮食料品の農協ストアに、これも一件の残った宿屋にガソリンスタンドは、通い始めて間もなくに無くなり、集落に空家も見た頃には桑野の坂下小学校も廃校になってしまった。過疎化が際限なく続く宮川の谷である。一年前の冬にストーブの煙の上がっていた民家に、それを見ないのは寂しい光景だった。
駅の、鉄道省による「小停車場駅本屋標準図」(1930年10月6日達第875号)に示された間口13メートルの1号型そのものと思われる木造本屋も、2002年夏には取り壊されて姿を消した。跡地には半円形デザインの小さな待合所が建つ。
宮川村のこと、打保のことは追々書いて往きたいと思う。

写真は、線路を埋めてしまう激しい降雪の中、富山方から進入する1026D<ひだ6号>。
これは駅本屋の失われた年の撮影である。

[Data] NikonF5+AiAFNikkor ED180mm/F2.8D 1/125sec@f5 C-PLfilter Ektachrome Professional E100G [ISO160/0.5EVpush] Edit by PhotoshopLR4 on Mac.

北海道版ブログへ、それの3年目に入るご挨拶を記した時に→ 小沢 (函館本線) 1974、この内地版も1年を過ぎていたことに気がつきました。
この間、ご訪問下さった皆様には心より御礼申し上げます。

上の記事にも触れましたが、1990年前後の5年間あまりの間は仕事が多忙で、それを遣繰りしての旅は道内に向かうばかりで、内地の鉄道はほとんど撮っていませんでした。94年からの再開後に集中的に通ったのが高山本線に八高線、それに身延線です。30年を遅れてルーラル鉄道を撮り始めたと云ったところでしょうか。
この頃には使い慣れた現像液の入手も不自由になりつつ在り、カラーリヴァーサルフィルムの屋外テスト(仕事では室内撮影ばかりでしたので)も兼ねて、最初から Ektachrome を手にしていました。
1年を経過したところで、今後には大量に手元にあるこれら線区のカットも加えたいと思い、ブログ表題も併せて変えさせて頂いた次第です。
今後とも、宜しくご声援下さいませ。
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コメント

こちらこそ、本年も宜しくお願いします。

こんにちは。
この見る見る線路を埋めてしまう降雪の中でも列車は定刻にやって来ましたから、
鉄道と云うのも大したものです。
この日の降雪は本当に激しく、降り積むのが眼に見える速度でありました。
一日も駅撮りとすれば良かったのに、欲を出して定番にしていた第三宮川橋梁の見える、
除雪されない林道にカンジキを履いて乗り込んだものの、無雪なら僅か5分程の距離に1時間程を浪費し、
結局、次の列車を取り逃がしたのでした。

お気遣いありがとうございます。
本年もどうぞ宜しくです。

  • 2014/01/04(土) 16:17:56 |
  • URL |
  • Wonder+Graphics #-
  • [ 編集 ]

本年も宜しくお願い致します。

こんばんは。
線路がどこにあるのか分からなくなってしまう程の雪、鉄道見せてくれる四季それぞれの景色は、感動的でさえありますね。力強くヘッドライトを照らした特急列車が、言葉通りに格好良く、そしてこの土地の厳しい冬ひしひしと伝わってきます。
昨年に初めて貴サイトにお伺いし、それ以来、過去の記事も少しずつ拝読しています。
時代を超えて鉄道の変わらない部分もありますし、やはり時と共に変化している部分もあります。それを写真で見ていくことが本当に楽しく、これからも立ち寄らせて頂きます。
本年も、どうぞ宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/

追伸
弊サイト掲載のリンク名も、変更させて頂きました。

  • 2014/01/03(金) 00:17:23 |
  • URL |
  • 風旅記 #O7xVy9HA
  • [ 編集 ]

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