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70's/80's Monochrome Age and Years of Ektachrome film

湯野上 (会津線) 1973

yunokami_03-Edit.jpg

大川ダム湖(若郷湖)に沈んだ桑原駅は、西若松からの上り勾配が舟子を頂点に一旦下り込んだ位置にあり、ここからは再び会津滝の原まで25パーミルを含む上り勾配が続いていた。
勾配の底にあたるここは、タンク式機関車の容量の少ない水を補う給水駅に指定され、上下の列車は必ずここに停車時分を持っていた。おそらくは線路開通時からの設備と思われ、良質な水の得られたのだろう。それは後には下り列車のみに限られたのだが、1971年8月に棒線化され営業要員の引上げられた後にも、しばらくの間運転関係要員が配置されていたのはそのためである。
そして狭まった大川の渓谷を隧道と橋梁で勾配を登る湯野上までの区間、第一から第三の大川橋梁がこの線の撮影の核心であり、中でも第二大川橋梁をそのハイエストとするに異論はないだろう。それを国道より遠望した光景は、多くの御同輩のフィルムに残るものと思う。
隧道へと続くこの橋梁上で下りの機関車は、運転取扱の規定どおりに一声を吹鳴して、渓谷に木霊する汽笛は今も記憶に鮮やかである。
この架橋位置は大川の「目覚めが淵」と呼ばれ、確かに旅行ガイドの類いにも景勝地としてその名は記されていたのだが、どれも一行程を費やすのみで大魚の棲みそうな深い淵の由来は知り得ない。

ただ、ここでの煙は期待出来なかった。下り列車は、勾配の緩んだ第四小沼崎トンネル内での絶気のままに通過し、直後の隧道内で再び力行に移る運転だったのである。第三大川橋梁付近のように白煙だけでも引いてくれぬものかと思ったものの、それに出会うことはなかった。
ならばと、汽笛吹鳴の一瞬に立ち上がる蒸気をと狙うも、ほんの僅かな白煙にタイミングはなかなかに合わないのだった。
この日は幸運なことに、キャブ屋根に延ばされたダイナモの排気に加え、コンプレッサを駆動させ乍ら走行してくれたものだから、煙突後部からのそれの排気を白煙に捉えることが出来た。渓谷の秋の静寂感を画角に表現するに、白い蒸気は欠かせない演出なのだった。
第二大川橋梁上の列車は1393列車。

[Data] NikonF photpmicFTn+P-Auto Nikkor105mm/F2.5 1/500sec@f8 Y48filter Tri-X(ISO400) Edit by PhotoshopLR4 on Mac.
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コメント

Re: 目覚が淵、この画角

こんばんは。
35ミリでは、国道寄りの上空を横切る送電線が画角に入りませんでしたか。
ここでは、淵をもっと取り込みたくて50ミリも使いましたが、
それを避けて、少しばかり無理な画角の記憶があります。
あの頃、此処の国道も狭い道でしたよね。

  • 2013/12/27(金) 01:24:19 |
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目覚が淵、この画角

私はここでは35mmか50mmしか
撮っておらず、105mm画角は
初めて拝見します。
確かに淵を表現するには、この
画角が正しいですね。

  • 2013/12/26(木) 10:33:13 |
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  • マイオ #pcU4xDNY
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Re: 会津線今昔

こんにちは。コメントありがとうございます。
この当時にダムの本体工事は未着工でしたけど、付け替え道路の工事は始められていて、
その山の中腹での施工に、ここの水没を悟ったものでした。
そう思って眺めると、山村の風情だった桑原集落に空家を見た覚えもあります。
ホームまで石段を上る位置に在った桑原の本屋も水没物件ということからか、
手を入れられていない様子でしたが、奇麗に清掃された待合室と記憶します。
ここで持参の朝食を食べ、しばし休んで第一大川橋梁へと向かったものです。

今冬も会津へお出掛けですか。良い旅を。

  • 2013/12/25(水) 16:29:01 |
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会津線今昔

こんばんは。
今日もお写真、楽しませて頂きました。ダムの竣工により水没、新線付け替えとなる路線といえば、直近では政争の格好のネタにされてしまった八ッ場ダムの吾妻線が思い浮かびますが、過去から各地の多数の路線が同様の経緯を辿っているのですよね。
会津線も往時には、今にも増して美しい景色の中を走っていたものとお写真から感じ取りました。
二度と列車の走ることのない旧線が、今でも、ダム湖の周辺や水底にそのまま残っていると思うと、不思議な気持ちになります。
時間が、ぴたと止まったままなのでしょうね。
冬の会津線を楽しみに出かけたくなってきました。
今後とも、宜しくお願い致します。
風旅記: http://kazetabiki.blog41.fc2.com/

  • 2013/12/25(水) 03:25:26 |
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  • 風旅記 #O7xVy9HA
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